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2023.3.15(水)〜3.20(月) 小田川 史弥 個展 手ではかる距離

小田川 史弥 個展 手ではかる距離
2023.3.15(水)〜3.20(月)
12:00~18:00 (最終日 ~17:00)

 

私の絵のほとんどは、どこか暗く不安を孕んだ日常を描いています。
明るい色の世界に影が差し込み混じり合うように、登場人物たちは怪しげな魅力で物語の中を生きています。芸術というものの中で興味深いことは恐ろしいものと美しいものを同時に見せられる事だと思うのです。
日常の私的な出来事や印象をきっかけに、手に届く範囲の人や風景をモチーフにする私にとって、
知らず知らずに変わっていく何気ない日々はとても不思議で怖く感じる事があります。
人が人と知り合い親密になるときに、同時に他の誰かとの縁や付き合いが薄れて消えていっているような感覚、それら一つ一つを気に留めていてはキリが無いですが、ふと何かのきっかけでいつの間にか会わなくなった昔の知り合いとの日々を思い出すことは制作を続ける中でとても大切だと感じます。
モチーフとなる景色は思い出のように不鮮明で液状化したような形に描いており、
一見して状況の把握を拒みます。鑑賞者は作品の全体またはその細部とそれらの間の物語を把握するために、絵から離れたり近づいたりするようになります。
まるで朧げな思い出を聞くかのように、表情や小物から手探りで何を描いているのかを探るのです。
その過程で目の前にある絵と景色や人物を通して、私の知らない鑑賞者の思い出も思い出させようとしているのです。
そうやって私は、知り合った人の知らない思い出を描いてるのです。

作家略歴
1996 神奈川県生まれ
2018 東京藝術大学 絵画科日本画専攻 卒業
2020 東京藝術大学 大学院日本画専攻 修了

[主な展示歴]
個展
2019 小田川史弥個展(美の舎/東京)
2021 小田川史弥個展 (数寄和/東京)
「昼の流星」(薬膳カレー&薬膳料理 香食楽/東京)
2022「丁寧に夜をならべて」(MAKII MASARU FAIN ART/東京)
2023「手ではかる距離」(子の星/東京)
グループ展
2019 小田川史弥・菊池玲生 二人展(ガレリア・グラフィカbis/東京)
2021 日本画6人展(アートスペース羅針盤/東京)
満ちては引いて 日本画5人展(数寄和/東京)

[主な受賞歴]
2015
「金谷美術館コンクール」褒状
「藝大アートプラザ大賞展」 優秀賞
2016
「SEED山種美術館日本画アワード」 入選
「石本正日本画大賞展」 審査員特別賞
2017
「耀画廊選抜作家展」 耀画廊賞
2018
「東京藝術大学卒業制作展」サロン・ド・プランタン賞 台東区長賞
「美の舎学生選抜展」 優秀賞
2020
「東京藝術大学修了制作展」京成電鉄藝術賞
「ギャラリーへ行こう」数寄和賞